フェアトレード活動とサステナビリティ

Anne Black アンヌ・ブラックは、デンマーク外務省の国際開発援助活動、DANIDAのB2Bプログラム(*)により、2005年にベトナムのハノイ郊外の 伝統ある陶磁器製造会社と業務提携を行い、フェアトレード活動をスタートしました。

2010年には両者による合弁会社を設立。 「大量生産・大量消費」とは一線を画する、未来の社会と生活の維持のため、環境保全を考慮した、持続可能な地域経済の発展と、雇用機会の供給に積極貢献しています。

製品は全て、Anne Black アンヌ・ブラックの細やかな技術指導のもと、陶芸工によるハンドメイドで生産されています。

それにより、同地域の従来産業では成し得なかった、高度な技能を有する人材を育成しています。

また、高付加価値製品に特化した生産体制を敷くことで、他の生産企業と比べ、高水準の従業員給与を維持しています。

そして、デンマーク式の技術訓練や、生産管理体制と生産技術の導入により、生産リードタイムの短縮、不良品率削減を達成し、従来比で原材料や電力・水など、資源の有効利用に繋げています。

また他企業に先駆け、汚水・廃棄物処理設備など外部の自然環境に負荷をかけない設備を完備。環境保全に対する従業員や地域住民の意識向上にも取り組んでいます。

 

これら取組みの成功事例として、2009年にはデンマーク王国のマルグレーテ2世女王陛下(Queen Margrethe II )と、メアリー皇太子妃殿下(Crown Princess Mary)のご視察訪問をうけています。

※マルグレーテ2世女王陛下は、デンマークの国家元首です。

 

また、労働環境においては、同地域の中でも従業員が長く安心して働ける健全な環境を提供しています。(以下一例)

  • 従業員の雇用保障強化(ベトナムの労働基準法よりも厳しい、デンマークの労働基準を一部適用)
  • 女性従業員の積極雇用
  • デンマークの産休制度を導入 (ベトナムの基準に比べ、より充実した内容)
  • 社会保険制度の完備 (法律上、ベトナムでは企業の社会保険制度導入が課せられているが、周辺地域で実施している企業は殆どない)
  • 安全性を考慮した建物、付帯設備、機械設備(フォークリフト、廃棄物処理場、炉の耐熱装置等)を設計(職場の安全性に対する関心が未だ低い周辺地域の中ではかなり先進的な事例)
  • 福利厚生施設の整備 (シャワールーム、休憩室、食堂、給食を、全ての従業員向けに提供)
  • 従業員の英語語学研修や、ベトナムの重要な問題であるHIVについて従業員が正しい知識を学習する場を提供

 

*DANIDAとは

Danish International Development Assistance(デンマーク国際開発援助)の略。 DANIDAの取り組みのひとつである、B2B プログラム(Business-to-Business program)は、デンマーク企業と発展途上国の企業間の長期的な業務提携や相互理解を支援・コーディネートする、政府の公的事業です。

また、DANIDAは企業間の提携締結後も、事業発展、技術支援、労働環境の改善、地域住民の生活水準向上のため、継続して企業と協働し、また同時に公正な取引が行われているかモニタリングも行っています。

このB2Bプログラムにより、発展途上国企業側は、デンマークで培われた技術やノウハウを吸収する機会を得、またデンマーク企業側は、海外新規市場への参入、商品調達、生産拠点設立などの機会を得ることが出来ます。